Artist: Utagawa Toyokuni I
Title: 「中村歌右衛門」「同 橋之助」
Date: 1812
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Source:
Waseda University Theatre Museum
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Description:
文化九年九月の上坂に際しての名残狂言のときのもの。その文言については、辻番付の口上に似通うところもあり、実際の舞台を反映しているか問題が残るが、文化十年正月刊『役者出世噺』に、「ひらかなに船頭松右衛門と成 三の切に親権四郎役助高屋高助丈引合にて 見物に向ひ名残の口上に お江戸八百八町を得心させ 名残狂言には八重桐の役」云々とある点から、三の切と推定。 画中「憚ながらこれより口上の申上まする/誠に不調法之わたくしこれまで/首尾よふ御当地を相勤ましたる段/全くもつて花のお江戸之旦那様方/厚き御贔屓御取立ゆへと心魂に/徹し有難ひ仕合に存奉まする/然ル所当顔見世無拠義理合の事/どもござりましてぜひなふ大坂/中の芝居へ罷り登りまする/故郷にはござりますれど有難ひ/いづれも様之お心ざしを/はなれまするは何ほどか/歎はしう存まする何とぞ/此すへ御見捨なふ御ひゐき/御憐愍ともちまして又/\さつそく/御呼下し下されまするやふひとへに/願上奉りまするまづは只今迄の/御礼又其御名残之口上隅からすみ迄/ずいとさやふに御聞下されましやう」